壁に寄りかかっての立位訓練は避けたい。
立位練習の時から、SLBの足関節に可動域がなぜ必要なのか?
立位を保ち独歩を行う為には、足・膝・股関節の動きがとても重要で大切になってきます。
立位を保ったり歩行には、身体の重心位置が重要となります。
立位や歩行の際には、重心が足底内に落ちていなければなりません。足底内と言っても理解しにくく、説明すれば次のようになります。
足裏の踵の部分・親指の付け根のふくらみ(母指球)・小指の付け根のふくらみ(小指球)の3点に重心が落ちるような姿勢が最も良い姿勢なのです。
スノースキーを行なう人は理解されていると思いますが、スキー靴を履いての歩行はとても困難なものです。足関節が動かないだけで膝関節や股関節の動きもギクシャクして、滑らかな歩行ができません。
いかに足関節の動きと足底内へのバランス確保が、必要かを理解していただけると思います。
壁に寄りかかっての立位は、すでに独歩が可能であるのに、前かがみとなって歩くような姿勢を治すのには良いかもしれませんが、まだ独歩や杖歩行ができていないケースでは、この立位訓練が良い訓練法だとは考えられません。
杖歩行や独歩の練習時から、腰を伸ばしての重心位置の正しい姿勢での練習を進めたいです。
練習の時から足関節の動きを大切にして、立位や歩行バランスを覚えていくことが重要です。その為には、壁に向かって立つような訓練を薦めます。壁によりかかるのではありません。
上述したように、足部に正しく重心を落とし、足関節の動きを重視した訓練を行う為には、立位訓練や杖歩行・歩行器歩行・独歩の訓練の際には、下肢装具に充分な関節可動域を設けた下肢装具を用いた訓練をお勧めいたします。
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